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ロシアにて救急車で運ばれる

ロシアの病院には絶対行きたくないと思っていたが行く羽目になってしまった。

風邪をこじらせ長引かせると良いことは全くないということが改めて分かった。

ロシアの救急救命士

中央アジア、ロシア辺りは一日の気温の差が激しく体調を崩しやすい。

エカテリンブルクに着いた日は5月中旬でも早朝は3度くらいの気温でホステルの入り口を探して30分ほど歩き回ったためにさらに体調を悪くしてしまった。

薬を飲み、翌日になっても回復しないためホステルのスタッフに相談したら

「医者をよんだ方がいい、電話してあげる。」

と言い、おもむろにどこかに電話をしだした。

医者が往診に来てくれるのかと思ったらなんとレスキューに電話をしたようだった。

「ロシアの救急車は無料だから」

と、ロシア流の気遣いだろうか、私は病院を紹介してほしかった。

しばらくして救急隊員2人が到着しまず熱を計ったが36度ほどで平熱の範囲だった。

私の症状は熱はあったと思うがずっと頭が痛く鼻水と痰がとまらず目も痛くなってきていた。

英語を話せるホステルのオーナーがたまたま居合わせたため通訳してもらい、とりあえず救急車で病院に行くことになった。

そう言えば人生初の救急車搭乗である。

病院までの道すがら救急隊員から日本のお金を持っていないかとしきりに聞かれた。

どうやら日本のコインなど持っていたら欲しいような感じだった、こんな時に。

そして着いた病院に名前はなく第40病院といういかにも旧ソヴィエト的な国営の巨大な病院だった。

暗い雰囲気の診療室
見たこともない器具
簡単な受付を済ませ診療室でドクターの到着を待っていたが見たこともなく何に使うのか分からない器具が置いてあり恐怖心を煽る。

ドクターと片言の英語で会話し熱、血圧、血液検査をし念のため頭部のレントゲンンを撮ることになった。

どうでもいいがドクターが愚痴りだした。

ロシアの医者は給料も高くないし人々からあまり尊敬されていないのだそうだ。

病院の迷路のような地下通路
レントゲンは別の棟にあるということで女性看護師に案内され地下通路を一緒に歩いたがこれが広いのなんの、標識もほとんどないため一人ではとても歩けないような空間だった。

そしてなんともロシア的というべきか看護師が途中で止まりスマホで誰かにメールを送り出した。

しばらくすると同僚の看護師が現れ、なんと救急患者の私をこの場で待たせ煙草に火をつけおしゃべりをしだしたではないか!

唖然としてしまい私もどうでもよくなり煙草を一緒に吸ったのだった。

それはさておき、現像されたレントゲンをまた地下通路を通りもとの場所にいるドクターのところまで持って行ったがレントゲンに書いてある私の誕生日の月が間違っていた。

ロシアの病院の質は決して高そうではないと思った。

さて、診断結果は深刻だった。

英語で Sinusitis 副鼻腔炎ということで本来鼻周辺は空洞になっているが膿が溜まっているのでこれを抜く必要があり、すぐに処置をしないといけないということだった。

ダー(YES)と言わざるをえず耳鼻科担当医の到着を待った。

二人ドクターが来たが一人はベテランの男の医者でもう一人はいかにも経験が浅そうな若い女性の医者だった。

処置をするのは女性の方だった。

何をするのかと思いきや太い注射針のようなものを右の鼻の穴に突っ込み顔の内部に突き刺していくがかなりの痛みと恐怖を伴う。

麻酔なしでやることなのだろうか。

男の医者はこれぐらい痛くない、と言ってくるがこれがロシア医療?

そしてビリッと顔の内部で突き破る感覚が伝わったところで副鼻腔に黄色い洗浄液を流し込んでいく。

そして次は当然同じことを左の鼻にもするのだが女性の医者が下手だという事だけはハッキリ伝わってくる。

ちょっと失敗気味だったのは明らかで鼻血がしばらく止まらなかった。

処置が終わると「経過を見たいので6日ほど入院してくれ」と言われた。

これは頑なに断った。

理由は、症状によっては同じ処置を何度もしないといけないと言われたこと。(トラウマになるくらい痛いし怖い。)

水が飲みたいと言ったら「無い」と断られた、そんな病院に入院したくない。

入院するための書類がすべてキリル文字で内容が分からずサインしたくなかった。

そもそもここの医者が信用できないし言葉の問題がある。

ゴネていると仕舞いには「お前は何しに来たんだ?何でここに来たんだ?」と言われる始末。

結局、副鼻腔炎に必要な薬の種類を紙に書いてもらい改善しなかったらまた病院に行くという話でまとまった。

気がかりだったのがこの医療費が一体いくらかかるのか?だったがなぜか無料だった。

薬局で薬を買い、その後は頭痛も消えて症状は収まってきたので今となってはあの荒っぽいドクター達に感謝している。

もう二度とお世話にはなりたくないが。


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